サルトリイバラ
◇「サルトリイバラ」に母思う◇
昼休みに工場の裏山を歩いた。小鳥が木々を飛び交い、ウグイスの
鳴き声も聞こえる。ツツジが木漏れ日の中で咲いている。
坂道を下ると「サルトリイバラ」が柔らかい若葉をつけている。
ツル植物でバラのようなトゲを持ち、秋には赤い実をつける。
私の古里では「馬ぐい」と呼んでいた。葉が馬のひずめの形をしている
からか。 「ぐい」とは方言でトゲのことである。
つややかな葉を手に取ると古里で過ごした少年時代が思い出される。
かしわ餅のような蒸しまんじゅうを母が作ってくれた。食べ盛りの身には
至福のひとときだった。
兄弟が競うように食べる様子を慈愛に満ちたまなざしで見ていた母の姿が、
まぶたに浮かぶ。病弱な体が案じられるが、元気でいてほしい。
心が和む昼休みの山歩きは、午後からの私の活力剤である。
兵庫県明石市 高見 輝夫
H17.6.15 毎日新聞
◇「カカラだんご」の甘い郷愁◇
15日本欄「『サルトリイバラ』に母思う」を読み、亡き母を
思い出しました。
サルトリイバラ(馬ぐい)は私の故郷・長崎県では「カカラ」の葉と
言っていました。
母が作ってくれたカカラの葉で包んだアンコの入った蒸しまんじゅう
「カカラだんご」は甘いものの少なかった少年時代、それは最高のもの
でした。
「カカラだんごを作るからカカラの葉を取っておいで」と母に言われる
とたくさん取ってきたものです。
5年程前、同窓会で帰郷した時、町の温泉で土産物として売っていました。
懐かしく買って帰りました。
カカラの葉の正式な学名が気になっていましたが、サルトリイバラと
初めて知りました。馬ぐい、カカラの葉、地方によりいろいろな呼び方が
あるんですね。
父の日は「カカラだんご」を作ってもらおうと思っていましたが、
葉の用意ができず断念しました。
埼玉県 伊奈町 黒岩 金造
H17.6.27 毎日新聞
◇ 雑談 ◇-----------------------------------------------
茎はつる性でかたく、まばらに刺があり、サルもこの刺から逃げることが
できなくなると言うことで和名が付いた。
サルトリイバラをサンキライと言う人もいるし、福岡、北九州辺りではガメノハ
(亀の形をした葉)といった方が一般的です。
植物学者によると、サルトリイバラは山帰来(サンキライ)の原種だそうで、
秋の根茎はサポニンを含み、解毒剤になるらしい。
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